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今回は五合目〜六合目までを御紹介します。

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(8)5合目〜6合目 河口湖口登山道が合流
(2005年時点の登頂記録を基にしています)              

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五合目から山頂への登山はしっかりとした装備で安全登山を目指そう

五合目から山頂をめざす時は、富士登山の事前の準備が必要です。→初めての富士登山

吉田口の登山には、浅間神社から徒歩で登山する登山道と、五合目までスバルラインのバスや車を使い、五合目から登山する登山道があります。両者の合流点は六合目ですが、五合目の小御岳神社に参拝するルートを取ると、途中で小御岳からの登山道と合流します。今回は、佐藤小屋から小御岳に参拝し、再び吉田口登山道に戻るルートを通ってみます。

小御岳、今はスバルライン五合目

佐藤小屋の下に富士山頂に向かって右手方向の先に、富士山からの傾斜に段が出来たように飛び出した部分が見えます。この段の先端に小御岳神社があります。小御岳は富士山の元になった古い富士山の一つで、現在の富士山はその上にかぶさるように乗っかっているそうです。小御岳の部分だけが、古い富士山のまま露出しているのだそうです。小御岳神社の周辺はスバルラインの終点として駐車場などが整備され、売店もたくさんあります。小御岳はスバルラインを使った登山者の登山口になっています。

佐藤小屋の下の道を小御岳に向かってやや登り勾配で進むと石畳の三叉路にでます。スバルラインからの合流点です。石柱に「泉滝」とありますが、滝は確認できません。すぐ近くに滑らかな石の小さな沢状の部分があり、時に水がちょろちょろと流れている場所があります。きっと、この沢状のことを呼ぶのかもしれません。スバルラインがない時は、吉田口の途中の水分補給場所としては貴重な場所だったと思います。夏の登山シーズンにはスバルラインからの登山者がラッシュ時の乗客のようにドドッと山頂に向かう場所です。今は吉田口登山道を下から登る人がわずかになってしまいましたので、佐藤小屋までの静寂な登山の雰囲気は、一気に吹き飛んで、銀座の真ん中に放り出された気分になります。

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まさに天地の境、富士山の醍醐味が目の前に展開

小御岳までしばらく人の波に逆らって進みます。石畳が切れると、砂礫の広い道になり、突然視界が開けます。左手は山頂までさえぎるものがない斜面、右手は下界を我が物としたかのような錯覚に陥る180°の大パノラマです。昔この近くが「天地の境」と呼ばれたように、正にその名の通りです。下を望むと富士吉田市の街が小さな三角形に見えます。視界を上に向けると三つ峠、その向こうに黒岳、大菩薩峠が見えます。遠くの山並みになるほどかすんで、薄ねずみ色になって行きます。本当に墨絵の世界です。やや左方向は河口湖、御坂黒岳、雁坂嶺を展望できます。右方向では山中湖、丹沢山、大山を見渡すことができます。山頂では天気さえ良ければ、さらに遠方の山々を見渡せます。吉田口登山道では、ここが丁度樹木の限界点になっているので、五合目から上は火山砂礫がむき出しになっています。小御岳に向かう右は森林、左は赤茶けた砂礫の塊、こんな現実ばなれした世界の真ん中を散策することが出来るのは、やはり、富士山ならではです。

左上の山頂は手を伸ばせば届きそうなほど近くに見えます。実は、この感覚が曲者なのです。簡単に届きそうなので、山頂登山も簡単に行きそうな気分になります。どっこい、そうは簡単に問屋が卸さない現実を後でいやと言うほど味わうことになります。山頂と思った場所は、山頂にあらず、途中の山塊の一部を見ているのです。

スバルライン五合目に小御岳神社

足元や登山道の石垣に白いかわいい花が咲いていました。「フジハタザオ」です。山頂近くまで登山の友として気分を癒してくれる富士山の花です。木のゲートが見えてきました。スバルライン終点、小御岳山頂です。観光客用の馬がたくさんつながれています。売店が並び、バスや乗用車が往来し、交通整理の人も大勢忙しく働いています。売店の中央付近に赤い鳥居があり、小御岳神社が奥に祀られています。小御岳神社は古くから祀られている神社です。(承平七年、西暦938年小御岳神社再建されたと記録されているそうです。「富士山と小御岳」)ここで登山の無事を祈願し、再び佐藤小屋からの道に戻ります。

今度は「泉滝」の三叉路を六合目に向かうために、右側に進みます。多くの登山者は、ここを夕刻に登山し、途中の山小屋に泊まります。この場合は、ヘッドランプや懐中電灯が必要です。7月この周辺ではハクサンシャクナゲを楽しむこともできます。「泉滝」を過ぎるとゆるい上り坂になり、小さなダケカンバやカラ松林を二つ過ぎるとコンクリートの砂防トンネルが見えてきます。ダケカンバやカラ松林の道は滑らかな石がむき出しになっているので滑りやすく注意が必要です。脇を通ると登りやすいでしょう。


六合目で吉田口登山道に合流

トンネルのようなシェルターがあります。この先に富士山安全指導センターがあります。登山シーズンには指導員が安全指導にあたります。あまりに軽装な服装の人には、登山予定を確認し、注意を促します。食料も防寒着も持たず、半そでに短パンでやってきた外人さんが呼び止められていました。ここまでは、なんとか歩けますが、六合目から上は岩場となり、しっかりした登山の準備をしないと危険です。登るも出来ず、下るもできず、救急隊を呼ぶ羽目になるので、五合目から上の登山は五合目までの林の中の登山以上に、山岳登山の準備が必要です。2005年夏、今年も既に八合目で具合が悪くなった男性が死亡する事故がおきてしまいました。準備をきちんとして登れば幼稚園児や小学生でも登頂できる登りやすい山ですが、日本一の高度を持つ山ですので、安易な登山は危険です。

富士山安全指導センターを過ぎると登山道は大きく右にカーブしジグザクな道になります。最初のカーブの先がちょっとした踊り場になっていて、真下に山中湖が大きく見えます。まるで、手を伸ばすと山中湖を捕まえることが出来そうな気がします。山中湖に向かって左手に下山道があります。ここを下山すると経ヶ岳、星観荘を経て佐藤小屋にでます。吉田口登山道を小御岳神社に寄らず登山する場合は、この登山道を登ってきます。

富士山安全指導センターを中心にカーブした登山道はすぐに山頂からの下山道との三叉路になります。左に下山道出口、右が登山道です。登山道はジグザグですが、二人がゆったり並んで登ることが出来る程度に広い整備された登山道です。周囲は砂礫の肌にべったり張り付いた緑が破布のようです。オンタデ、イタドリ、フジハタザオなどの富士山特有の植物です。実際の斜面は20度前後の傾斜ですが、実感する傾斜はもっと急です。斜面の石が今にも転がり落ちそうです。六合目の山小屋は雲海荘別館ですが閉鎖されていました。ここから次の山小屋がある七合目までは距離があります。少し休んで行きましょう。六合目から七合目の最初の山小屋「花小屋」までは距離があります。この間の登山道は鉄の格子に富士山の砂礫が詰め込まれた側壁で保護され、緩やかな傾斜を保つために大きなジグザグ形が七合目直前まで続きます。登山道からそれ程遠くない場所に登山道と並行するように赤茶色の砂防壁が築かれています。なんとなく味気ない景色ですがこれも現在の富士山の姿でしょう。五合目からの登山でもこのあたりで大勢の登山者が休憩を取っています。花小屋は近くに見えるのですが、なかなか近づきません。一時間近くでようやく花小屋の下にたどり着きます。本当にホッとして、小屋前のベンチに座り込みます。水は山小屋で販売しています。500mlペットボトルで500円でした。2リッター程度は持参すると良いでしょう。小御岳の売店で買った金剛杖に焼印を押してもらいました。いよいよここからは岩登りに近い登山に入ります。
(次回へつづく)

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スバルライン五合目
手が届きそうな山頂方向(拡大可)
眼下に広がる吉田の街(拡大可)
泉滝付近
眼下に山中湖(拡大可)
○01富士吉田駅→金鳥居 ○02金鳥居→はなや ○03はなや→浅間神社 ○04浅間神社→泉水 ○05泉水→馬返し 
                                                     

○06馬返し→鈴原神社 ○07鈴原神社→五合目 ○08五合目→六合目 ○09七合目 ○10八合目→山頂
                                     
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