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初めての富士登山

 3 靴、身体の準備

以前東京の知人が、「一度だけでも良いので富士山に登りたいのだが、登山にどのくらい時間がかかるか?」「初めてでも大丈夫か?」などと質問されたことがある。今年も富士登山のシーズンが近づいてきた。そこで今回は初めての富士登山にはどんな準備が必要かを考えてみた。しっかり準備すれば幼稚園児でも登れる富士山だが、あなどれば大人でもケガをすることがある富士山。昨年は30万人以上が登った富士山に、あなたもチャレンジしてみませんか。

慣らした登山靴を使おう

登山靴は頻繁に山へ行く人は別ですが、一般的には殆ど使っていません。まして、富士山にはじめて登ろうとする人の多くは、富士登山のために新しい登山靴を用意するのではないでしょうか。
もし、そうなら、新しい登山靴を汚すのはもったいないので、富士登山の日に履き初めなんて、間違っても考えないで下さい。
新品の登山靴は、足になじんでいないので、どこか多少は合わない部分があるものです。靴は、使っている内に足になじんでくるものです。しかし、なじむまでの間は、どうしても靴擦れや豆が出ることがあります。短時間の歩行による靴擦れは、すぐ回復しますが、富士登山では少なくとも1日靴を履いたままです。登山の途中で靴擦れが出てしまっては、折角の登山が台無しになってしまいます。
富士登山に使う登山靴は使い慣れたものを使いましょう。もし、新品を使う場合は、事前に数回は使って足になじませておきましょう。


身体を慣らす

富士登山に限らず、登山では、普段使っていない筋肉を使います。
富士山は日本一高い山です。身体の準備も大切です。
登山靴をなじませるために事前に履いてみるだけでなく、身体も登山にあわせてなじませることが必要です。
運動会で、事前に体操をやって身体を作るのと同じです。

「準備をすれば誰でもが登れる山」ですが、これは「誰でもが登れる環境が整っている」という意味だと理解した方が良いでしょう。
お酒に酔ったまま登ろうとする人、ハイヒールのまま登る人、短パン、ポロシャツのまま登ろうとする人など事前の準備を全くしないで登ろうとする人がいますが、このような場合の富士山は「危険な山」です。
ある年でした、大学生でしょうか、何の準備もしないで、下山道を登り、夕方になり真っ暗闇で進むことも、ひくこともできなくなり、救急隊を呼んで助けを求めたような無謀な人もいました。
登山道は山小屋があり登山者も大勢いますが、夕方の下山道は山小屋もなく、登山者も殆どいませんので、万が一迷い込んでも助けをもとめることができなくなります。その上、富士山では照明がありませんので日が沈むと真っ暗になってしまい、足元さえ見えなくなってしまいます。一歩間違えると道をはずして斜面に放り出されてしまいます。
このようなときは夜露をしのいで明るくなるまで待つのですが、下山道には夜露をしのぐような場所も殆どありません。昼間暑いぐらいの日でも夜間は冬のような寒さになってしまいます。
このような事故で毎年少なくない人が救急隊を呼んで、何件かは新聞の記事にもなっています。
このようなことがないように、事前の準備は不可欠です。

また、しっかりと装備をした人でも、登山途中で足が痙攣してしまい登山を断念する人、高度3000m付近で急に吐き気や頭痛がして寝込む人、疲労で進めなくなる人など少なくない人が、身体の不調を訴え、登頂を断念しています。標高2305mのスバルライン五合目から山頂の3776mまで、高度さは1471mもあります。その上、スバルライン五合目から吉田口山頂の久須志神社までの歩行距離は6km近くになります。普段会社勤めで、歩くのは家と駅、駅と会社の数百mだけの人が、上りの坂道を6km歩くことを考えて見ましょう。さらに空気は薄く、山頂での酸素濃度は地上の2/3になってしまいます。その上に夜間登山に近く、殆どの人が睡眠不足の状態ですので、足元はフラフラになってしまいます。
このような自然環境ですので、身体を事前に慣らすことは登頂を成功させるために必要不可欠なことです。
普段車で行っているコンビニには歩いていく。
近くの山に実際の装備をして登ってみる。
など、富士登山の数ヶ月前から身体を作っていきましょう。
また、当日も五合目でブラブラして高度に慣らしたり、ストレッチをして足首の筋を伸ばしたりして身体を慣らすことが大切です。
また、登山途中の山小屋付近でも、同じようにブラブラして高度に慣らしながら登るつもりで、時間的にも余裕を持って計画しましょう。





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