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富士山麓の秘境
(須走口登山道旧馬返し近く)
   
富士山グランドキャニオン
                                    →グランドキャニオンの地図で見る今昔とアクセス








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須走り口登山道の旧馬返しは現在「ふじあざみライン」の途中にあるためほとんど注目を浴びることはなく、古い山小屋は無人の廃墟と化している。

グランドキャニオンはこの近くにある。旧馬返しから「ふじあざみライン」を少し登ると右側に新しい石柱に「グランドキャニオン」と刻まれた道標がある。道標の脇を林の奥に山道が続いている。山道は林を山腹の斜面を横切るように進み、すぐ谷に突き当たる。
向かいの崖は黒茶色で横に縞が整然と並んでいる。ここがグランドキャニオンの末端に当たる。谷底に下る道があるが、ロープが張られ「立入禁止」の表札が付いている。山道はここで左に曲がり手前の谷の縁に沿って登っていく。この道を進むと、対岸の崖は高さを増し、ところどころ雨水による侵食で削られ残った崖があたかも彫刻家が削り上げたように突き出て、巨大彫刻のようになっている。
手前の崖も高さを増すので高度恐怖症の人は足元がすくむ。ところが足元から多くの木があり、梢が伸び視界を遮るのでパノラマのようには見えない。それでも、なんとなくだが壮大さは分かる。
さらに進むと崖は林に飲み込まれるように消えてしまう。登れば登るほど谷は深くなり谷底に下りることは出来なくなる。また山道にはずーっとロープが張られ谷側は「立入禁止」となっているので、谷底に降りることは出来ない。谷底に降りるのには最初の突き当りをロープを越えて進むことになりそうだ。

ところで、この谷が侵食されて流れた砂が砂防ダムを埋め尽くし旧馬返しの下の「ふじあざみライン」を横切っている。この砂の流れを逆に登れば上で述べた谷底に続いている。また、小富士から下ってくるとグランドキャニオン側の上にでることもできる。未確認だが、馬返しの下の砂の流れを逆に登り、右側の林に入ればグランドキャニオンの上に出ることが出来そうである。ただし、砂の流れを登るとき、間違えると右の谷に入ってしまうことがある。ここはグランドキャニオンの東側の谷で小規模な砂の崖はあるが、グランドキャニオンと呼ぶには規模が小さすぎる。

グランドキャニオンは侵食によって出来た大規模な砂岩の崖だと思うが、隣の沢でも、東側の崖に砂の崖ができている。ただ、規模が小さい。谷を少し登って行くとすぐに森林限界となり、木が全くなくなる。小富士に続く斜面にでる。グランドキャニオンの沢を登っても同じ斜面に出て、小富士に続いていると思うが、グランドキャニオンの沢は急峻な崖と大きな石がごろごろする沢にぶつかり道は途絶えてしまう。グランドキャニオンの沢は実質的には袋小路の沢になっている。
グランドキャニオンの谷は明治、大正、昭和にかけて大きくなっている。
(→地図に見るグランドキャニオンの今昔近代に入り明治24年にできた地図、大正2年の地図、大正11年、昭和27年、平成の地図を比べると平成の地図の谷が異常に大きくなっている。これから考えると、現在のグランドキャニオンは昭和後半から平成にかけて今のように見ごたえのある谷になったと考えられる。グランドキャニオンの最上流は大きな岩がごろごろ積み重なって渓谷を造っている。そのため砂の流れが止められ、グランドキャニオンの深い谷となっていると考えられる。東側の谷でも侵食が進んでいるが、砂が谷を埋めているのか深い谷になっていない。グランドキャニオンは今後、谷が広がる方向に侵食が進むのだろう。今から30年、50年どのように変化するのだろうか。今しばらくは砂礫の壮大な景観を楽しめそうである。できれば、安全確認をした上で立入禁止を谷底の中間まで移動して、一般観光客が谷底から安全に眺められる歩道をロープで作って欲しいものである。関係機関の検討を期待したいと願うのは私だけではないだろう。
小山町の名所の一つとしては、是非とも足元から観察できる遊歩道としてロープなどでもよいので、整備を期待したい。また、それだけの価値もある観光資源といえる。

↑グランドキャニオン入り口
 ↑富士山
  グランドキャニオン
 ↑富士山
  グランドキャニオン
 ↑富士山グランドキャニオン:左上の写真の崖上を拡大してみると大勢の人が歩いていた(写真右上)。豆粒より小さく見える人と比べるとグランドキャニオンの大きさが分かる。
↑頁トップへ        富士北麓−瑞穂通信=富士みずほ通信 http://www.fjsan.net