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富士北麓が生んだ奇才の切り絵芸人「百鬼丸」

「百鬼丸」は富士吉田市出身の切り絵作家だ。本人は多分、切り絵芸人をめざしているのだろうか、「切り絵でディズニーよりも大勢の人を集めたい」と言うようなことを言っていたと思う。2008年11月に行われた芙蓉文化賞の記念講演会でも、話をしながら参加者のリクエストに応えて即興で切り絵を披露してくれた。切っているところを参加者が見えるように透明の画板も持参しての講演会になった。(写真下)

「百鬼丸」こと渡辺文明氏は相当の自信家だろう。切り絵で成功すると確信し東京に出て、1980年JTB雑誌「旅」でプロデビューしている。当初からサラリーマンになる気はなかったと言っていた。文春文庫 早乙女貢著「おけい」で初の書籍カバー画を担当、以来カバー画、表紙画では単行本で700冊を越えている。本人曰く、「表紙画を担当する切り絵作家としては日本一だ」自信家であると同時に、自分を鼓舞する意味も込めて「日本一」と自己主張しているのだと思うが、実際彼の担当しているブックカバーは宮部みゆき、森村誠一など日本を代表する著名な作家のものが多い。
「百鬼丸」は多くの連載小説の挿絵も担当している。週刊新潮連載 安部龍太郎著「日本史・血の年表」・佐江衆一著「クイーンズ海流」、週刊文春小説 宮部みゆき著「ゼプツェン」、毎日新聞朝刊小説 北方謙三著「黒龍の柩」などだ。
最近は地元山梨に関することにも積極的にかかわっている。富士吉田市上吉田の火祭りポスター画製作、風林火山博公式イラストレーター就任、そして変わったイベントとして「吉田のうどん」ツアーも企画実行している。
来年2009年は埼玉の方で百鬼丸4作目の陶壁画制作が決まっているなど、多方面に活躍が広がっている。
2008年には銀座伊東屋で個展も開催、ますます活躍が期待される切り絵作家だ。

百鬼丸について詳しくは→百鬼丸ホームページをご覧下さい。
左のサルは瑞穂通信のために即興で製作(上の写真)していただいたものだ。表彰式後の記念講演会で講演をしながらの切り絵で、参加者からのリクエストに応えたものだが、チャンスと思い「サル」を希望して製作していただいたものだ。しかも無料でもらってしまった。ちょっとした宝物になった。あとで富士山も背景に入れてと希望すればよかったと思ったが、百鬼丸らしいサルで大変満足している。
下の写真は表彰式の会場の表紙画の切り絵と使われた小説、それを見学する参加者、2009年百鬼丸カレンダーにサインする様子や講演しながらの切り絵に真剣な表情の様子だ。
富士吉田私立図書館には百鬼丸コーナーがあり氏の切り絵を鑑賞できる。