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「赤富士焼き」と呼んでみたい 蓮窯(はちすがま)
鳴沢村大田和の交差点から少し入ったところに五湖台登山道入り口があります。そのすぐ目の前にうずたかく積まれた大量のまき。目の前の家には今は珍しい煙突がニョキッと出ています。家の前に手書きの「蓮窯工房展」の看板、工房がお店にもなっていました。多少雑然としている陳列台の焼き物。ちょうど蓮窯が「春の工房展」をしているところに出くわしました。
なかなか一見さんには入りにくい店構えですが、私も年を食ってきたせいか、もともとずうずうしいのか、ぬーっと店に入ってみました。
気難しい陶芸家がいるのかと思っていたら、なんとも気さくに「奥にもあるので見てください」と声をかけられ、見るだけとずうずうしく、奥にも入ってみました。
ありました。富士山が。他の焼き物と違い、白磁のティーカップに膠で富士山を描いたものがありました。
これは面白い作品でした。お皿にも幾何学的と思える赤の膠、その真ん中に三日月模様の黒が浮き出ていました。もっとも、ご主人から「これは月ですよ」と言われないと気がつかない模様でした。
入れ替わりに奥さんが入ってきて、猫のテーカップやちょっとおちゃめな人形を指して、「かわいいんですが(造るのに)手がかかると言うんですが、こういうものも造らないと・・」とやや自嘲気味に解説してくれました。
多くの作品は備前のように炎と灰の織り成す自然の模様による造形でした。釉薬を使っているので、光沢のある焼き物に仕上がっています。
最も目を引いたものは、30センチ前後の花瓶です。
ゴツゴツした筒型、素焼きとは異なる赤土のような茶色がかった赤にべったりとついた黒光りする肌、まるで夏の赤富士をほうふつとさせるものでした。「赤富士焼き」と言っても良い花瓶です。
一見さんなのにコーヒーが出てきました。いただいている間に、今度はガラスのカップと作品と同じ焼き物のカップに少しずつ同じコーヒーが運ばれてきました。「飲み比べてみてください。焼酎だともっと分かると思うのですが・・」そう言われるとなんとなく、陶器の方がまろやかな感じがしました。
素焼きのマグカップにビールを注ぐと、きめ細かな泡になり、ビールの味が格段にまろやかになります。あれと同じなのでしょう。
連休明けからは6月の展示会用の作品作りに忙しくなるようです。
蓮窯は北鎌倉が本拠地、鳴沢は大型の薪の窯を焼くところです。
「火を入れると6日間燃し続けるんですよ」店前に高く積まれた材木を窯焚きの薪に割る助っ人募集がホームページに掲載されていました。
なじみのお客さんでしょうか、コーヒーをいただいている間にも入れ替わりやってきていました。鳴沢に窯を築いて11年、すっかり地元に溶け込んだ蓮窯です。
5日まで開いています。ドライブがてら寄って見てはいかがでしょうか。

蓮窯のホームページ 鳴沢の蓮窯アクセス

「赤富士焼き」と命名したくなる赤と黒の花瓶
陳列棚に並んだ作品
蓮窯店舗と店前に高く積まれた薪材
漆で画いた富士山のコーヒーカップ 味のある茶碗や一輪挿し 桜の大皿