山下としおニュース296号
2021年5月30日

３月２３日に私が行った、2021年度富士河口湖町一般会計予算案(歳入歳出それぞれ116億2600万円。
前年度比10億9400万円マイナス)に対する討論要旨を、以下にご紹介します。

一般会計予算案への反対討論

コロナ禍のもと町民の命とくらしを守る対策を

反対の理由は２点です。1点目は、コロナ対策が十分でないことです。
必要な対策の１つは、感染拡大を防止し、町民の命を守るために、ワクチン接種と社会的検査を同時並行で進めることです。
ワクチン接種については、1億６７３９万円の予算が計上されています。
町民１人ひとりに寄り添った対応、ワクチンの効果や副反応などについて十分な説明と周知を行うことを求めます。
ワクチンにより集団免疫ができるには相当な時間がかかります。
同時並行で、無症状者への社会的検査を行っていくことが不可欠ですが、一般質問の答弁では、実施する考えはないとのことでした。
社会的検査については、政府の新型コロナウイルス対策本部分科会の尾身会長も、検査数を増やして定期的に実施することの重要性を述べています。
町でも、検討すべきです。
必要な対策のもう１つは、事業者や労働者への直接支援をつよめて、町民のくらしと営業を守ることです。
予算特別委員会の観光課の質疑のなかで、町が認定しているセーフティネット保証４号(売上高などが２０%以上減少)、セーフティネット保証５号(売上高などが５%以上減少)、危機関連保証(売上高などが１５%以上減少)の2020年度の認定数は、合計で４７５件(３月１６日現在)との答弁がありました。
また、税務課の質疑では、固定資産税のコロナ特例の減免(事業用家屋や償却資産)の適用は３９８件との答弁もありました。

多くの事業者が深刻な経営状況におかれています。
事業者への支援金の実施を求めます。

合わせて、税の徴収にあたっては、納税者に寄り添った対応を求めるものです。
また、一般質問で求めたコロナの影響で収入が減少している労働者、フリーランス、年金生活の方などへの給付金の支給については、財政状況などを理由にできないと答弁がありました。
町税の減収分を国が補てん　財政調整基金取り崩し額も減額しかし、町税収入見込みが7億５６９７万円減額となっているのに対し、総務課の質疑で確認したように、地方交付税の増額、臨時財政対策債の増額、新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補てん特別交付金の合計で約８億２０００万円の補てんが見込まれています。
財政調整基金の取り崩し額も、前年度当初より1億円減額となっており、財政的には十分実施が可能です。直接支援をつよめる決断をすべきです。

保育士の待遇改善を　デマンド交通の実施を

２点目は、町民のみなさんのくらし支援策の充実を求めることです。
予算特別委員会の子育て支援課の質疑のなかで、３歳未満児においては、年度途中の保育所への入所は困難であるが、緊急の場合は調整して入所できるようにしている旨の答弁がありました。
保育士の負担が大きくなっている状況も伺えます。
子育て世帯の多くが、家計のやりくりに苦労しています。
保育所に入所できなければ、仕事が確保できず、家計が苦しくなります。
解決のためには、保育士の安定的な雇用を確保していくことが重要です。特に、当町の会計年度任用職員の保育士は全員パートタイム勤務(1日7時間以内を原則)となっていますが、常勤的勤務で長く勤めている方はフルタイム勤務に切り替えていくことを求めるものです。
予算特別委員会の福祉推進課の質疑のなかで、７５歳以上の方で運転免許を持っていない方、運転免許を返納した方へのバス定期券またはタクシー代補助の実績は、２月末現在で、バス３８人、タクシー１４９人、地区別では、旧上九一色村地域ではいずれもゼロとの答弁がありました。 政策企画課の質疑で確認しましたが、新年度、デマンド交通導入可能性基礎調査を実施するとのことでした。
最優先課題として、旧上九一色地域でのデマンド交通※の実施を検討すべきです。

　※デマンド交通…事前に予約し、自宅の近くで乗車できる乗り合いタクシーやバスの制度。

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