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こんにちは山下です

山下としおニュース230号
2018年8月12日



町議会視察研修報告①
 ~本白根山の火山噴火防災~


5月10日、町議会として、群馬県草津町役場における視察研修が実施され、私も参加しました。
テーマは、 ① 本白根山の火山噴火防災、 ②草津町の町内巡回バス の取り組みの2つ。 町議会で毎年恒例となっている県外視察研修。
例年は、何のために視察研修を行うのかについて、議論が行われることがなく、議員全員協議会で、行き先や宿泊日数の議論のみ行われ、視察研修の内容は議長や常任委員長に一任する、というやり方で行われてきました。
税金を使って、目的が不明確な視察研修に参加することはできません。
そのため、原則として、私は参加してきませんでした。
しかし、今回の視察研修は、事前に、目的についての議論が行われました。
そこで、私は、デマンド交通や巡回バスの取り組みを視察してはどうかと意見を述べました。
議論の結果、その意見の一部が視察研修に取り入れられました。
今回は、視察研修のうち、本白根山の火山噴火防災についての研修内容をご報告します。


① 研修内容


まず、草津町議会議長よりあいさつがあり、4月20日の「志賀草津高原ルート」開通の2日後の4月22日に、草津白根山の噴火警戒レベルが1から2(火口周辺規制)に引き上げられたために、閉鎖されてしまったこと、町議会において、災害対策特別委員会を設置していることなどのお話があった。
その後、副町長より、草津町は、第3次産業が9割を占めていること、火山は温泉という観光資源を提供してくれるパートナーであることを話された。
また、今年1月の本白根山の噴火はノーマークであったが、昭和55年、56年の白根山の噴火により、体制を強化してきたことが、対応に生かされたとのことだった。
草津町における火山噴火防災の体制強化についての詳細は、篠原総務課長補佐より、次のような説明があった。

①観測体制の強化、②草津白根山防災会議協議会の発足(昭和58年。当初は任意の協議会であったが、御嶽山噴火を受け、昨年から法定の協議会に)、③防災会議専門部会(東京工業大学火山流体研究センター)の設置、④学者の配置(4人のうち1人は町内在住)など、平時、異常発生時の体制を強化してきたとのことだった。
また、今年1月23日の本白根山噴火発生直後の草津町役場の対応と被害状況について、時系列で次のような説明があった。

・10時5分に、観光公社より噴火の第1報があり、ただちに現地対策本部を設置し、町長に連絡後、役場内の対策本部も設置。
・県、警察、消防、気象台、大学教授など、関係機関に連絡を取るとともに、現地の状況把握、救助活動を急いだ。
・消防団に出動を要請。県を通して自衛隊に出動を要請した。
・火砕流は確認されず。灰は東側に流れた。
・噴火口はとどまつ山頂部付近(旧火口)であることを確認。
・雪崩の発生はなし。
・11時50分に噴火警戒レベルが3に移行。
・負傷者は最終的に10人、死者1人となった。


② 質疑応答


説明のあとの質疑応答では、私は次のような質疑を行った。


質問


草津温泉街は安全だったが、風評被害があったと聞く。どのようなものだったか。


総務課長補佐


噴火直後は、キャンセルが相次いだ。
温泉街は噴火の影響を受けていないので、風評被害だった。
しかし、「こわい」という人に対し、無理は言えないので、町長を先頭に、「安全だからお越しください」と、よびかけた。
被害があったのはスキー場であり、噴火が1月だったので、余計にキャンセルが多かった。
夏は影響が少ないと思うが、4月に白根山の噴火警戒レベルが2にあがったことの影響はあるかもしれない。


質問


風評被害対策として、どのようなことを行っているか。


総務課長補佐


2000万円の補正予算を計上した。
観光協会や旅館協同組合などの観光団体に話をして、キャンペーンをどんどんやってほしいとお願いした。
様々なイベントを実施、計画している。


質問


町長のPR文に、今回の噴火対応について、「情報収集を行い、サイエンスの視点から対応」との文言があり、とても重要と感じた。
専門家との連携を日常的にどのように行っているか。

総務課長補佐


教授4人に、日常的に、ご協力いただいている。
そのうち1人の教授は、町内在住で、地震の回数が増えているなどの変化があればすぐに町役場に連絡をくださり、役場にも足を運んでくださっている。
今回の噴火時にもすぐに対応いただいた。
また、町内に観測所を設けていただいている教授もいる。


********


また、ほかの議員や町職員(防災、観光の担当職員4人も視察研修に参加)のおもな質疑応答は次の通りです。


質問


噴火後の役場内での対応をくわしく。


総務課長補佐


噴火が確認されれば、通常は気象庁から連絡が来るが、観測をしていなかった本白根山だったため、連絡が来ず、役場と現場は大あわてだった。
「噴火しただろう」ということで動いた。
しかし、スキー場の被害状況の確認が困難で、誤情報もあり、混乱したため、大学教授などには連日役場につめてもらい、防災担当課長には山頂にのぼり、現場対応してもらった。

質問


想定外の本白根山噴火。どのように対応したのか。

総務課長補佐


噴火を想定していたのは白根山。
今回の噴火は、想定していなかった本白根山だった。
しかし、同じ方向にあるため、白根山を想定した防災計画で、暫定的に対応した。
とはいえ、あくまで白根山への対応を想定したものであったため、本白根山も想定した「草津白根山噴火警戒レベル運用に係る防災対応暫定要領」を今年3月につくって現在は対応している。
 また、温泉街は、被害が出ていない。町長を先頭に「大丈夫」とPRに取り組み、風評被害対策に取り組んでいる。

質問


気象庁職員は何人配置されたのか。

総務課長補佐


1か月役場に常駐していただいた。多いときは7~8人。
観測データについて本庁とやりとりしていただき、説明も受け、不明点も解消できた。

質問


ライブカメラの設置は。

総務課長補佐


誘客用に設置していたライブカメラが、偶然、噴火の現場を撮った。
なお、地震計は、白根山にはあったが、本白根山にはなかった。

質問


現場には、外国人もいたということだが、ガイドなどはいたのか。

総務課長補佐


英語を話せる大学教授に対応していただいた。
被害状況などの情報がなかなか役場に来なかったこともあり、余計に外国人対応は難しかった。

質問


噴火発生を想定した避難訓練は。

総務課長補佐


町民向けの訓練は行っていない。関係者を中心とした大規模な防災訓練を行ったことはある。

質問


今回の本白根山は、水蒸気噴火だったので、火砕流は発生しなかったが、火砕流あるいは融雪泥流が発生した場合の想定やハード対策は行っているか。

総務課長補佐


白根山では、泥流の可能性を検討したところ、草津町とは逆の方向に流れる想定をしている。
しかし、本白根山のハザードマップはこれから検討するので、草津温泉街に流れてくる可能性はあるかもしれない。


議長


スキーコースが廃止となったことにより、泥流が草津温泉街に流れてくる恐れはあるので、砂防ダムの設置などが必要だと考えている。

③今後にどういかしていくか


富士河口湖町は、草津町の3倍にあたる広大な面積があり、富士山噴火発生時、地域によって対応策が異なるなどの難しさがある。
しかし、平時、災害時の体制強化、専門家との連携、風評被害対策など、参考になる話が多数あった。
今回の研修内容も参考に、富士山噴火防災体制の現状を1つひとつ検証し、充実や改善をどのように行っていくかを整理し、町に提案していきたい。


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