3月17日の全員協議会で、富士河口湖町議会議員の報酬を、来年秋に予定されている町議選後に、月額1万7000円引き上げる方針が賛成多数で決定されました。
現在の富士河口湖町議会の議員報酬は月額15万7000円です。
この額は、山梨県内の町村議員報酬の平均額15万1571円、全国の町村議員報酬の平均額21万449円と比較しても、決して高いとは言えません。
しかしながら、富士河口湖町議会の現状などを見れば、報酬引き上げを実施すべきではないと考えます。
私は、以下の4つの理由を述べ、この決定には反対しました。
この報酬引き上げの議論は、数年前に、あるベテラン議員が、「10数年前(2003年)に、富士河口湖町に合併したときに、一時的に議員数が大幅に増えたため、議員報酬を旧河口湖町のときの月額17万4000円から15万7000円に下げた。しかし、定数を18に削減したら戻すという約束だった」と述べたことにより始まりました。
つまり、「引き上げる」のではなく、「戻す」のだから議論の余地はない、ということです。
しかし、そのことは、条例にも規則にも書かれていません。
しかも、定数を18に削減したのは、約10年前です。いま「戻す」という考えは成り立ちません。
予算を増額することになり、「引き上げる」ことになります。
2015年7月3日、山梨県町村議会議長会が設置した研究会は、「町村議会議員の報酬適正化に関する調査・研究結果報告書」を発表しました。
これは、県内のすべての町村議会議員が、2014年8、9、10月の活動時間の記録(議会や行事、研修などへの出席、議会質問準備、住民要望活動など)を提出し、それにもとづき、議員の活動日数を明らかにし、議員報酬のあり方について、調査・研究を行った結果がまとめられたものです。
これによれば、県内の町村議員の活動日数は、3か月で約140時間。
一日8時間として計算すれば、3か月の活動日数は17.5日であり、1か月にすれば約6日です。積算の対象となっていない活動もあり、単純には言えない部分もありますが、この活動日数で、報酬を上げることができるでしょうか。
(なお、この日数は、県内町村議員の平均であり、議員によって差があると予想されます。ちなみに私は、3か月で約500時間でした)
前述の町村議会議員の報酬適正化に関する報告書では、「議会改革を推進し、議案調査や政策立案、行政の監視などの活動が増加するならば、ほかの就労ができなくなるため、生活保障のため、議員報酬引き上げが考えられる」という趣旨でまとめています。
富士河口湖町議会の現状を見れば、一般質問はだいたい2、3人で、委員会でも全員協議会でもほとんど発言しない議員もいます。
いま必要なのは、この現状を変え、議会改革を進めていく議論であり、報酬引き上げを先行して決めることは到底認められません。
国保税や介護保険料などの値上げが町から提案されても、ほとんどの議員が意見も言わず賛成しています。
それなのに、なぜ議員報酬引き上げなのでしょうか。そんな予算があるなら、町民生活が大変ないま、町民の生活支援に予算を使うべきです。
∞------∞------∞------∞------∞------∞------∞------∞------∞------∞------∞
雇用、中小企業の資金繰り、医療・福祉の困りごと、生活保護、教育、子育て支援、農業など…1人で悩まず、ご相談ください。
連絡先は次のとおりです。
山下利夫 TEL・FAX 0555-72-3574